「gohoubi 」
第1話 -起-(桐生恭丞 編)
「なにすんのよバカーっ!」
「うぉぶっ!」
不審な物音にむくりと起き上がった瞬間、目を開いているのに暗闇が広がった。かと思ったら次の瞬間、顎に強烈な一撃がぶち込まれた俺はそのままもんどり打った。
どうやら起きた時に、マリエのスカートの中に頭を突っ込んでいたらしい。いや、パンツを見たりぬくもりを感じたりする余裕はなかった。おのれ。
「掃除に来てあげたら寝てるし!」
「顔をまたいで掃除するな!」
「うるさい! またこんなにエッチな本ばかりため込んで……最低っ。こんなのばかり見てるから成績も落ちるの。来週のテスト、赤点取ったら進級できないよ?」
「んぁー、だってさ、勉強とか好きじゃないし。保健体育なら得意なんだけどなー」
「じゃあ、今度のテストで良い点取ったら……そうね、おっぱい触らせてあげようか?」
こうして、おっぱいにかける――いや、おっぱいを賭けた俺のテスト勉強が火蓋を切ったのだ!